カタログ制作のリピート率が90%を超えるUPRの強み[前編]
一度仕事をご一緒したクライントさんとは、長いお付き合いになる。 日々UPRで仕事をしていて、常々思うことです。初回以降、カタログ制作などを再度ご発注いただいた場合を「リピート」とすると、そのリピート率は常時90%超。同業の友人に話すと、かなり驚かれます。加えて営業が居ないこと(全員制作者であること)を伝えると、さらに驚愕されます。今回はその主な理由と考えられるポイントを、カタログ制作、パンフレット制作を例に解説していきたいと思います。
「クリエイティブ」というやっかいな言葉
前編となる今回は「納得度の高さ」についてです。そもそも私たちの仕事はBtoBが基本ですので、お客さま(企業)のビジネス発展を手助けすることが使命となります。もう少し詳しく言うと、お客さまのその先に居るエンドユーザー(消費者)さんをしっかり見つめて、把握して、洞察して、企業と消費者がよりよいコミュニケーションを構築できるよう、さまざまなクリエイティブを提供することがお仕事です。この「クリエイティブ」という形容詞だったり名詞にもなったりする業界用語、便利に使える一方で、非常にやっかいな言葉だと思っています。何故かというと、用途が実に「曖昧」だから。主に広告分野での「制作物」という意味合いが強いですが、アイデアレベルのぼんやりしたものを「クリエイティブ」と呼ぶ人もいれば、制作担当部署が「クリエイティブ」という名称だったりもする。時に「クリエイティブでなんとかしてもらえますか?」など、突如として“魔法のワード”になってしまうこともあります。
そのカタログ、自己満足になってませんか?
このクリエイティブという言葉は、実際の表現(制作物)においても実に「曖昧」です。Web広告などの仕事ではA/Bテストで効果測定を行い、思いがけないユーザー視点に気付かされることも多くあります。しかしカタログ制作やパンフレット制作でA/Bテストを行った、という話はこれまで聞いたことがありません(手間もお金もかかるので仕方ないですが…)。つまり、紙モノ制作においては効果測定の機会がないため、「センスのよさ」など数値化できない制作者の意図が反映されがち。その結果、ただの「自己満足なクリエイティブ」という悲劇が起こります。企業が目指しているのはビジネスの成功であって、常に数字=結果が求められている。なのにカタログ制作やパンフレット制作のクリエイティブが、これほど曖昧なままでよいのでしょうか?
カタログ、パンフレットに根拠の確かなクリエイティブを
そこで私たちは、クリエイティブにおける「納得度の高さ」が重要であると考えました。UPRでは、初回のお仕事の際にさまざまなツールを使って市場・競合の調査を行い、データやサンプルを収集します。一般商材であれば、競合他社のカタログやパンフレットのデザイン研究・検証も忘れません。その傾向や数字などからコンセプトを導き出し、デザインやコピーといった最終表現に落とし込んだものを提案。競争力の高いカタログやパンフレットに仕上げます。非常に手間はかかりますが、曖昧さの払拭であったり、一歩進んだ提案のためには、欠かせない工程なのです。
しかし膨大な情報は、人を惑わせます。データを深掘りしていく中で、世代も嗜好も異なる2つのターゲットが見つかった場合どうするか? それぞれに最適なカタログやパンフレットを作成したいところですが、予算も限られている。じゃあ…見なかったことにするか? そんなわけありません。例えば、2つのターゲットに対応できる「両面表紙カタログ」を作ってみてはどうか? と考えます。 構成や仕様面の問題をどうクリアするか? どう差別化するか? これらの提案を丁寧にお話することも大事。すると、お客さまに深く納得していただけます。結果として表面表紙カタログが実現し、効果的なプロモーションにつながる。つまり、データの根拠があるから曖昧さがなくなり、“納得度の高い”クリエイティブが実現できる、というわけなのです。
次回、後編は「クリエイティブの質の高さ」について解説します。