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ランディングページ強化策 キャッチフレーズで掴め[第5章]

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ランディングページに落とし込むキャッチフレーズを、20の手法で読み解く、シリーズ「キャッチフレーズで掴む」。今回は、手法⑯<勝手>から、手法⑳<最後>まで。

手法⑯[勝手]
合格者数、満足度、関東圏NO.1をめざします。(学習塾)

これと近いキャッチフレーズを見て、上手いなあと感心した記憶があります。合格者数、満足度が関東圏No.1だと言っているのではないのです。No.1をめざしますと豪語している。意気込みを述べる分には、何も約束をしていないのですから勝手です。でも、昨日今日立ち上げた少人数の塾ではなく、No.1をめざせるそれなりの実績と規模を持つ塾だと思ってしまうから、一定の効果が見込める表現ではあります。でも、「最高」「最大」「最適」「最安値」「日本一」といった最上級表現を広告で使用することは、一般的にそれを裏付ける客観的なデータがないとルール違反。掲載媒体によっても独自のガイドラインがあるので、くれぐれも気を付けないといけません。

手法⑰[啓蒙]
ご存じですか?紫外線は雨の日も降り注いでいます。(シミ対策)

晴れの日ばかり気にしていた紫外線の量。実際には、曇りの日でも快晴時の60%程度、雨の日でも30%程度降り注いでいるそうです。30%とはいえ、雨の日にこんなに紫外線があるとは流石に意外で、シミや肌の老化を気にしている方にとっては、夜間を除いた四六時中紫外線対策が必要な気持ちになってきます。事実を知らせて、注意喚起し、商品に落とし込む。キャッチフレーズにおける啓蒙手法です。大辞林で調べると、啓蒙とは「人々に新しい知識を与え、教え導くこと」とあります。知らしめるのは、なるべく人に知られていない、常識を覆すような、新しい知識であればあれほど効果的です。「気づき」は常に、ゴールへの道を照らす灯りになるのですから。

手法⑱[チェック]
○が5つ以上なら、今の保険を見直しましょう。(自動車保険)

これも、一種の参加型の啓蒙です。設問に答えていくことで、商品やサービスまわりのポイントを整理・理解し、現在のご自分の状況を把握。そこから、すべり台のようなロジックに導かれて商品に落ちていきます。チェックするという具体的なアクションを起こすだけで、消費者と商品との距離がぐんと縮まります。むしろ、アクションを来させるところが、この手のキャッチフレーズの最大の仕掛けで、一番の目的と言っても過言ではありません。消費者と商品には、元もと何の関わりもありません。消費者はそもそも冷たいのです。でも、チェックシートにチェックした後は、それ相応の間柄?になります。そして、上手くいけば、啓蒙してくれた商品、会社のファン候補生になってくれるのです。

手法⑲[ネーミング]
助けて!大人のニキビ救急隊。(ニキビ対策)

昔、ティーンエイジャー向けの化粧品キャンペーンで、「美肌部」という仮想クラブを想定してモニター部員を募り、美肌になるためのさまざまな部活を紹介するといった企画を立てたことがあります。商品をキャラクター化したり、仮想のグループを作ったりすると、そこをプラットホームとして発想が自由に広がり、先々の展開もしやすくなります。ビジュアルにもなりやすい。いいネーミングをつければ覚えてもらいやすい。親近感もグッと増す。いいことだらけです。特に同じような競合がたくさんいる場合には、具体的にイメージしてもらえる分認知されやすく、効果的に差別化が図れます。

手法⑳[最後]
禁煙成功へ!これが最後の切り札です。(禁煙サポート)

最後の切り札。最終手段ですね。何度も失敗を重ねてくじけかかっていそうなこと、禁煙とか、ダイエットとか、英会話とか、筋トレとか。そうした目標達成のための商品やサービスの場合には、バッチリはまるアプローチです。藁にも縋る生活者の気持ちに訴えるわけですから、本当に最後の切り札となるような客観的な根拠を持った商品、サービスであってほしいというのが私の願いです。もっとも、「最後のお願いに参りました!」と連呼する、投票日前の候補者のようで、あまり好きにはなれませんが。


いかがでしたでしょうか。LPに引き込む、広告の中身を読んでもらう、商品に1cmでも近づいてもらうために、最初のメッセージ、いわゆるキャッチフレーズの力は想像以上に大きいものかもしれません。大声を出して叫べば、人はこちらを向いてくれるでしょうか。いいえ、たとえ声は大きくなくても、静かにゆっくりと話したとしても、よく考えられたメッセージは人を振り向かせ、人の心に届くものなのです。語りかける相手を知ること。お互いの関係を把握すること。その場を見極めること。悩んだらご連絡ください。きっと力になります。