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デザイン会社の社長の本音、教えます。 [面接必勝法 その1]

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デザイン会社の代表を長年務めていると、入社選考の一貫として面接を通じて新卒既卒を問わず多くの若い学生やクリエイターの方々とお話をすることがあります。当たり前ですが、生まれ育った環境や、友だち、趣味やアルバイト・ 職歴など、一人として同じ歳の取り方をしてきた方はいないのですから、年配のこちらの方が驚かされる経験の持ち主や、見上げた根性の青年などにも出会え て、思わぬ楽しい時間となることもあります。でも、中には「それはないでしょ」 と、その場で突っ込みを入れたくなる(実際に、何度も入れましたが)ことや、「なんかなあ」と物足りなさを覚えることも少なくありません。お互いコミュニケーションが仕事ですから、少なくとも相手が何を望んでいるのか、たとえ面接の場であっても、面接の場なればこそ、もう少し思いを致す努力をしてほしい。そうすればもっとアピール度が上がるのに、というのが、正直なところです。では、どうしたらいいのか。

面接経験を通してつくづく感じたデザイン会社の社長の本音です。就職・転 職をめざす若いクリエイターの方なら、読んで損はないと思いますよ。

まず、入りたい気持ちを持て

こんな当たり前のことから書き出すのも、実は驚くことに、あんまり入りたくなさそうな顔をして面接にくる人も、ときどきいるからです。そんなことはない と、ご本人は本音を隠したつもりでも、必死に採用を考えているこちら側からはすっかりお見通し。顔に「ここは試しに受けにきました」と書いてあります。たとえ顔に大きく書いてなくても、面接の途中で絶対にバレてしまいます。そうとわかってしまったら、その後の時間はお互いにとってムダ以外の何物でもあり ませんよね。
わざわざ面接を受けに来るなら、ウソでもいいから、この会社に入りたいんで すという顔で来てください。会社のビルの入口の前でひと呼吸整えて「私はこの会社の一員としてがんばっていくぞ」と自分に言い聞かせてから、会社の扉を叩いてください。当たり前のようですが、まずそこが基本です。あんまり入りたそうではない人を、会社が採用すると思いますか。それほど自分に自信があるというのは、まずもって思い上がりと断じて間違いないように思います。
入りたいという人に入ってほしい。社長の偽らざる本音です。だから、履歴書もどこの会社にでもすぐに提出できるようなコピーを出さないでくださいね。 どこか1ヵ所でもいいから、受けに来た会社ならではの情報を入れるとか、そ の情報を受けて感想を述べるとか、工夫をするようにしてください。今どきホームページのない会社などありませんから、履歴書を書く前に、少しだけその会社のサイトをのぞいてみましょう。そして、会社の特長や、制作方針、実績など、自分の目でピックアップして、志望動機や自己PRの欄で触れるくらいの努力 はしましょう。
ちなみに、私のいる会社には(1)クリエイティブで世の中の人の心を動かすこと(2)価値ある成果と対応でお客様の心を動かすこと(3)素晴らしい仕事と仕事ぶりで仲間の心を動かすこと、という3つの理念があり、ホームページに書かれています。以前、経験者採用で面接を受けにきた方の何人かから「御社の理念がとても気に入りました」「私も周りの心を動かせるような仕事をしたいです」と、言われたことがあり、本当にうれしかったのを覚えています。そんな見え透いたおべんちゃらはちょっと…と思う方もいらっしゃるかもしれませ んが、いやいや、あなたが会社の代表の身になってみてください。意外とうれしいものですから。事実、3つの理念は自分で考えたものだったので「おお、そう か。共感してもらえるんだ」と単純に喜んでしまいました。会社の理念とか行動規範などというものは大抵、会社の代表が考えたものでしょうから、誉めておいて間違いないんじゃないかなと思います。
いずれにせよ、自分をアピールしたかったら、一般論で終始するのではなく、 受けにいった会社独自の情報に少しでも履歴書の中で触れましょう。ホームページを少し見たからといって、その会社のことがわかるとは面接する会社側も思っていません。だから、ヘンに臆病にならずに、感想レベルでいいので書くこ とをおすすめします。そのコメントへの評価などどうでもいい話。要は、あなたが事前に会社のサイトを見て、予習して、何かを感じ、履歴書に書いてきたことが大切なのです。それが、「入りたい気持ち」の何よりの証。選考する側は、ストレートにそう受け取ります。すべてのスタートラインはそこからです。